実は、計算化学とテキストエディッタは切っても切り離せない関係だったりします。と言うのも、計算結果の出力(Outputファイル)や入力ファイル(Inputファイル)を確認する際、必ずと言っていい程テキストエディタを使用するからです。
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Windows標準の「メモ帳」じゃダメなの?

テキストエディタとは、PC上でテキストファイルを作成するためのソフトのことです。最もポピュラーなのは、Windowsに初めから入っている「メモ帳」ではないでしょうか。 ただし、Windows標準のメモ帳は必要最低限の機能しか搭載されていません。ですから、目的に応じたテキストエディタを使ったほうが、圧倒的に効率が上がります

どんなソフトを使えばいいの?

ここでは、サクラエディタをおすすめします。国産のフリーソフトで、解説しているサイトが圧倒的に多いので特に初心者にはおすすめです。
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テキストエディッタは他にも沢山あるので、時間がある方は色々と探してみると面白いかもしれません。探すのが面倒だという方は、まずはサクラエディタを使ってみれば間違いないと思います。

※サクラエディタのダウンロードはこちら(http://sakura-editor.sourceforge.net/)  

計算化学に適した 「ソフトの特徴」や 「設定」はあるの?

以前計算した水分子の出力ファイルはなんと1,166行もあります。今後、さらに分子量が増えたり、計算方法を厳しくしていくと数十万~数百万行というのは当たり前になってきます。そこで、一番重要なのが「見やすさ」です。
左がWindows標準のメモ帳、右がサクラエディタです。
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サクラエディタは、左端に行数が表示されておりクリックした行に補助ラインが表示されます。間違って閉じてしまった場合も、見ていたところを再度開いてくれるので助かります。また背景がクリーム色で見やすいと思いませんか?
サクラエディタで最低限、設定しておきたいのは、「フォント」です。
また、他のテキストエディッタを使う場合でも、案外フォントを変えるだけで見やすさが全然違ってきます。ここでは「Consolasの標準11サイズ」をおすすめします。

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サクラエディタの場合、メニューバーの設定 >フォント設定 を選んでフォントを変更することができます。その他にもサクラエディタにはタブ化機能や、多数行のファイルを確認する際に便利な機能が沢山あります。自分好みに色々とカスタマイズできるのも魅力の一つだと思います。 
 

「最低限」覚えておきたい操作

OutputファイルやInputファイルの内容を確認する際、最もよく使うのが「検索機能」だと思います。計算でエラーが発生した場合や、単に内容を確認したいときに見る場所はだいたい決まっています。しかし、数十万~数百万行の中からいちいち目的のワードを探し出すのは一苦労です。
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大抵のテキストエディッタは「Ctr + F」のショートカットキーで検索用のウインドが開き、文字列を検索できるようになっています。ここで紹介したサクラエディタやWindows標準のメモ帳でもこのショートカットキーは使えますので覚えておくと良いでしょう。
ショートカットキーを使わない場合、サクラエディタではメニューバーの「検索」ボタンから一番上の「検索」ボタンを押すと検索用のウインドが開きます。

おわりに

計算化学で使うテキストエディッタは、数十万~数百万行を対象としますのでなにより見やすさを優先することが大事であることを述べました。また、欠かせない要素としては操作性が挙げられます。ここで紹介したサクラエディタにはまだまだ沢山の機能がありますので、実際に使っていく中で自分好みにカスタマイズするなどして操作性を確認してみてください。どうしてもサクラエディタが自分に合わないという方も、計算化学の解析を行っていく上でテキストエディッタは良い相棒になってくれますので、早い段階で自分にあったソフトを見つけておくことをおすすめします。