この度、Amazonより本を出版することになりました。2017年からはじめたこのブログですが、情報が少し古くなった箇所もあり当ブログの内容を最新のものにアップデートし、文献情報や新しいトピックを加えてリライトしたものになっています。

タイトルは「ゼロからわかる!! 独習 量子化学計算 ~理論からはじめない新しい量子化学計算の本~」ということで、当ブログの趣旨通り初心者の立場に立ったやさしい入門書となっています。
Cover
当ブログへのコメントや小規模のセミナーを開いた際に寄せられた、たくさんの初心者の方々の声を取り入れて執筆しました。ですので、はじめて量子化学計算にとりくむ方にとってわかりにくいポイントやつまずきやすい箇所をきちんとフォローしながら段階的にステップアップできるように構成しています。

ブログをはじめた当初よりも計算化学関連の解説サイトは随分と増えたように思います。しかし、Webサイトの解説だけでは特定の情報を得ることはできますが、初心者が順序立てて体系的に学ぶことには向いていません。一方、書籍で学ぶ場合も内容が高度であったり商用のソフトウエア(Gaussian)が必要だったりするので、気軽に学習をはじめるのにも難しいのが現状です。

そういった「これから量子化学計算をはじめる初心者」が無料で利用できるGAMESS(US)やFireflyを活用して、最初の一歩を踏み出すお手伝いができれば幸いです。また、学習を終えた後も本書を辞書代わりに何度も見返していただければ大変うれしく思います。

書籍のサポートページ(サンプルファイルのダウンロード)
https://ryokokuga.github.io/SSCQC/

Amazon製品ページ


【目次】
Chapter-1. はじめての量子化学計算をする前に知っておこう  
1-1. 本書の対象読者について  
1-2. 本書の特徴  
1-3. 本書の構成  
1-4. 必要な計算環境  
1-5. 使用するソフトウエアについて  

Chapter-2. 量子化学計算の環境を整えよう  
2-1. 計算を始める前に必要な準備をしよう  
2-2. FireflyとGAMESS(US)のライセンスを取得しよう  
2-3. MoCalc2012をインストールしよう  
2-4. FireflyとGAMESS(US)をMoCalc2012に連携させよう  
2-5. その他に準備しておきたいソフトウエア  

Chapter-3. まずは、水分子を計算してみよう!!~各ソフトウエアの使い方を学ぶ~  
3-1. Avogadroで水分子をモデリングしてみよう  
3-2. 入力ファイルを作成しよう  
3-3. MoCalc2012を起動して計算してみよう  
3-4. Macで計算を実行する方法について  
3-5. 計算結果を3Dモデルで表示してみよう  

Chapter-4. 計算に必要な設定について学ぼう~計算手法や基底関数の基礎を学ぶ~  
4-1. 最低限必要な「6つ」の設定について知っておこう  
4-2. 電荷とスピン多重度を設定しよう  
4-3. 電子配置を設定しよう  
4-4. どの性質を計算で求めたいか設定しよう  
4-5. 計算手法を設定しよう~計算手法について学ぶ~  
4-6. 基底関数を設定しよう~基底関数について学ぶ~  

Chapter-5. 構造最適化計算について学ぼう~分子の安定構造を求める計算について学ぶ~  
5-1. 構造最適化計算の流れを理解しよう  
5-2. SCF計算について学ぼう  
5-3. 構造最適化計算について学ぼう  
5-4. 初期構造の大切さを理解しておこう  
5-5. 構造最適化計算の出力ファイルを確認してみよう  

Chapter-6. 振動解析をしてみよう~分子の性質を特定する計算について学ぶ~  
6-1. 振動解析の計算を実行してみよう  
6-2. IRスペクトルを計算で予測してみよう  
6-3. 熱力学的諸量を確認してみよう  
6-4. 振動数から安定構造かを調べてみよう  

Chapter-7. 入出力ファイルの見方、書き方を覚えよう~入出力ファイルの基礎を学ぶ~  
7-1. 入力ファイルの構成について学ぼう  
7-2. グループとキーワードについて理解しよう  
7-3. 便利な記述方法とコメントについて覚えておこう  
7-4. 出力ファイルの構成について学ぼう  
7-5. 基本的なエラーとその対処法を覚えておこう  

Chapter-8. フロンティア軌道で反応を予測しよう~フロンティア軌道の解析方法を学ぶ~  
8-1. フロンティア軌道で何がわかるのかを学ぼう  
8-2. HOMOを計算で求めてみよう~求電子置換反応を予測する~  
8-3. LUMOを計算で求めてみよう~求核置換反応を予測する~  
8-4. SOMOを計算で求めてみよう~ラジカル化合物の反応性を予測する~  
8-5. 出力ファイルから分子軌道を確認してみよう  

Chapter-9. 電荷密度解析をしてみよう~電荷密度の扱い方を学ぶ~  
9-1. 出力ファイルから電荷を確認してみよう  
9-2. MullikenとLöwdin電荷の違いについて学ぼう  
9-3. 密度解析における問題点を知っておこう  
9-4. その他の密度解析法~NPAを使用する方法について~  
9-5. 静電ポテンシャルマップを表示させてみよう  
9-6. 双極子モーメントを計算してみよう  

Chapter-10. 水の2量体を計算してみよう~相互作用エネルギーの求め方を学ぶ~  
10-1. 相互作用エネルギーの求め方について学ぼう  
10-2. BSSEをCP法で求める方法を学ぼう  
10-3. 水の2量体の相互作用エネルギーを求めてみよう  
10-4. KITAURA-MOROKUMA法でBSEEを計算してみよう  

Chapter-11. 溶媒和エネルギーを計算してみよう~溶媒効果の扱い方を学ぶ~  
11-1. 計算に溶媒効果を取り入れる~PCMの基本を学ぶ~  
11-2. 溶媒を設定する方法を覚えよう  
11-3. 溶媒和自由エネルギーを計算してみよう  

Chapter-12. 遷移状態を求めてみよう~遷移状態の探索方法について学ぶ~  
12-1. 遷移状態を求める方法について学ぼう  
12-2. 置換基法で遷移状態を求めてみよう  
12-3. MEP法で遷移状態を求めてみよう~入力ファイルの作成方法を学ぶ~  
12-4. MEP法で遷移状態を求めてみよう~結果の解析方法を学ぶ~  

Chapter-13. IRC計算をしてみよう~遷移状態の検証方法を学ぶ~  
13-1. IRC計算について学ぼう  
13-2. IRC計算の入力ファイルを作成しよう  
13-3. IRC計算の結果を可視化してみよう  

Chapter-14. 反応を解析してみよう~活性化自由エネルギーの求め方を学ぶ~  
14-1. 活性化自由エネルギーを求める方法について学ぼう  
14-2. SN2反応の活性化自由エネルギーを求めてみよう  
14-3. エネルギーダイアグラムを作成してみよう  

Chapter-15. 色々な計算にチャレンジしてみよう~実践的な問題で活用法を学ぶ~  
15-1. 反応エンタルピーを計算してみよう  
15-2. 異性体比を計算で予測してみよう  
15-3. エタンの回転障壁を計算してみよう  
15-4. UVスペクトルを計算で予測してみよう  
15-5. NMRスペクトルを計算で予測してみよう  

Chapter-16. 付録  
16-1. GAMESS(US)をクラウド上で実行してみよう  
16-2. 便利なソフトウエア  
16-3. 量子化学計算に活用できるデータベース  
16-4. 3D分子モデルを共有する方法  
16-5. 構造最適化計算が上手く行かない時の対処法  
16-6. SCFが収束しない時の対処法  
16-7. 外部基底関数の導入方法  
16-8. MOPACによる遷移状態の探索方法