wxMacMolPltは、3DでFirefly(PC GAMESS), GAMESS(US)のインプットファイルを作成し、アウトプットファイルの可視化が可能なフリーソフトです。また、表示される3Dモデルはムービーや画像に書き出すこともきます。
分子表面の描写は、分子軌道(HOMO, LUMO)、等電子密度面、静電ポテンシャルマップ(ESP)等の表示が可能です。
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GAMESSのGUIとしては古くから定番のソフトと言えます。Firefly(PC GAMESS)、GAMESS(US)共に公式ページで推奨しているだけあって、GAMESSユーザーが良く使用しているのを見ます。
wxMacMolPltは、Windows, Mac両方に対応しています。操作画面はどちらも同じなので、ここではWindows画面で紹介していきます。

1) 入手とインストール方法

ダウンロードページ: https://brettbode.github.io/wxmacmolplt/downloads.html
HP:https://brettbode.github.io/wxmacmolplt/MacMolPlt_Manual.html

ダウンロードページから、Windows又はMac版をダウンロードしてください。
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 ■ Macの場合
1) 最近のMacであれば、のMac OS X 10.7 or newer (64 bit only)でOKです。わからない場合は先にでトライしてみてダメな場合は、下のMac OS X 10.4 or newer on Intel 32 bitを試してみてください。

2) ダウンロードしたファイルを解凍し、MacMolPltのファイルごとアプリケーションフォルダに保存しインストール完了です。アプリケーションを開く際に、「開発元が未確認のため開けません」と出る場合はControlキーを押しながらMacMolPltをクリックします。出てきたサブメニューから「開く」を選択すると、警告のアナウンスとともに「開く」が選択可能になります。

 

 ■ Windowsの場合
1) お持ちのPC環境で32bitと64bitを選択してダウンロードしてください。
※インストール又はソフトを開く際にエラーが出て開けない場合は、32bitではのVS8Runtaimeを、64bitではのVisual Studio 2013 runtime libraries.をインストールすると開けるようになります。

2) ダウンロードしたファイルを開き、インストーラーの指示に従ってインストールすれば完了です。


2) 基本的な使い方

トップページの『Online Manual Sections』の所にかなり詳しい使い方が書いてあるので、ここではよく使うメニューや操作に絞って紹介します。その他必要な箇所は、今後の記事で適時紹介していきます。
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 ■分子構造描画
1) MacMolPltを起動すると、ホーム画面が表示されます(左画面)。ツールバー『Bilder』の『Show Build Tools』を選択すると、分子描画ツール画面が表示されます(右画面)。
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2) まずは、水分子を描いてみましょう。ホーム画面の『Edit』を押して、周期表の酸素(O)を選択してホーム画面をクリックすると酸素原子が描画されます()。次に周期表の水素(H)を選択し、ホーム画面の酸素原子の結合末端をクリックすると酸素と結合した水素が描画されます()。後は同じように水素を追加し水分子を作成します()。

作成した分子はツールバーのFire→Exportから様々な形式で保存できます。
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3) ちなみに、分子描画ツール画面の青点線『Prototypes』タブにはベンゼン環などよく使う分子が予め用意されています。目的の分子名を選択し、ホーム画面をクリックすると描画されます。
 

 ■インプットファイル作成
Firefly(PC GAMESS), GAMESS(US)用のインプットファイルを作成します。
Firefly(PC GAMESS)とGAMESS(US)のインプットファイルの形式は同じですが、一部対応していない計算や対応していてもキーワードが異なるものがあります。Firefly(PC GAMESS)とGAMESS(US)の計算機能やキーワードの違いは今後説明します。

1) 先程描いた水分子の『HF/6-31Gdレベルの構造最適化計算』のInputファイルを作成してみましょう。ホーム画面のツールバーから『Subwindow』→『Input Builder』を選択すると、Input作成画面が表示されます。
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2) Control画面からRun Typeを『Optimization』(構造最適化)にします。電子配置(基底配置)を、スピン多重度と電荷の指定を行います。はDFT(密度汎関数法)やMP法(メラー・プレセット摂動法)を使用したい場合選択します。
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3) Basisを選択し、Basis Set(基底関数)を『6-31G』にします。のD分極関数は『1』を指定します。最後に、『Write File』を押すとInputファイルが出力されます。
 

 ■アウトプットファイルの描画 (分子表面の表示)
注意!!:ディレクトリ名に日本語が含まれると開けないので、Outputファイルの名称はもちろん上位フォルダも英数字である必要があります。
1) ホーム画面のFire→OpenからGAMESSで計算したOutputファイル(.out)を開きます。以前紹介した、MoCalc2012で出力されるGAMファイル形式(.gam)でも開くことができます。

2) 分子軌道(MO)の表示は、ツールバーのSubwindow→Surfacesを選択するとサブウインドウが開くので、『3D Orbital』を選択します。3D Orbital 画面のSerect Orbで表示したいMOを選択します(今回はのHOMO(最高被占軌道)を選択します)。の『Update』を押すと選択したMOが表示されます。
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3) 表示させたMOは『Delete』で消すことができます。静電ポテンシャルマップの表示は、ツールバーのSubwindow→Surfacesを選択するとサブウインドウが開くので、『3D Total Electron Dencity』を選択します。

4) で等電子密度表面の設定を行います。ここではContour Valueを0.02に設定してください(≒電子密度が0.02の値を繋いで表示させる)。

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5) このまま、の『Update』を押すと「水分子の等電子密度表面(0.02)」が表示されます。MEPの全てにチェックを入れての『Update』を押すと「水分子の等電子密度表面(0.02)上の静電ポテンシャルマップ」が表示されます。
 

ここで表示させた、分子軌道(MO)のHOMOは「電子が存在している軌道のうち最もエネルギーが高い軌道」ですので軌道支配(frontier orbital control)の反応では”どこが反応しやすいか”の指標になります。
一方、静電ポテンシャルマップは赤で表示される部分は他の分子の青の部分と引き合い、赤同士では反発することを意味します。つまり、電荷支配(charge control)の反応では”どこが反応しやすいか”の指標になります。
分子軌道(MO)と静電ポテンシャルマップの詳細は今後説明していきますので、わからない方は表示方法だけでも覚えておくと良いでしょう。
 

3) おわりに

今回は、GAMESSのGUIであるMacMolPltの導入方法と基本的な使い方について説明しました。結果の可視化方法は、Outputファイルの解析によく使う機能ですのでマスターしておくと良いでしょう。
先にも書きましたがMacMolPltには他にも便利な機能がいくつかあるので、今後適時紹介していきます。

【関連記事】
Firefly(PC GAMESS) の入手とインストール方法 ~その①~
Firefly(PC GAMESS) の入手とインストール方法 ~その②~
GAMESS(US)の入手とインストール方法