QCLDBⅡ (Quantum Chemistry Literature Data BaseⅡ) は、量子化学計算を扱った原著論文を網羅する国産の文献データベースです。利用登録を行えば無料で利用できます。
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これまで紹介してきた、PubChemQC, TSDB(QMRDB), CCCBDBとは対照的に、論文自体を対象としたデータベースになります。

1) どんなデータが利用できるの?

QCLDBⅡは量子化学データベース(QCDB)研究会が運営しており、1978年以降の化学、物理、計算科学などの約30の主要ジャーナル(アメリカ化学会誌、Journal of Chemical Physics etc.)からデータを収集し、データベース化しています。QCLDBは元々、1982年にElsevierから紙媒体で出版されており、QCLDB Ⅱとして2004年からWeb版が開設されています。
データの内容は、文献の著者名や雑誌名、巻、ページ、発行年、分子式(組成)、計算方法、基底関数や計算をおこなった物性の種類(物理量)及び文献に関するコメント(内容の簡単な記述)でタグ付けされており、それらを検索可能です。
例えば「B3LYP」を検索した結果は以下のように表示されます。
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論文へ直接アクセスすることはできないので、『Article Locator』というWebサイトを利用すると主要なジャーナルを横断検索してくれるので便利です。Article Locatorの使い方は簡単で雑誌名と、号数とページを指定し「GO」をクリックするだけで論文の掲載されているサイトへアクセスできます(下図はQCLDBⅡの検索結果(1件目)を検索してます)。
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2) 利用方法は?

1) QCLDBⅡのWebページにアクセスし「Registration」(赤枠)から無料の利用登録を行う必要があります。
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2) 利用登録したIDとパスワードでログインすると検索トップページが表示されます。赤枠のManualsをクリックすると検索方法が表示されます。普段からGoogle検索等を利用していれば、検索方法をわざわざ見なくても使用できると思います。
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3) おわりに

今回は、QCLDBⅡという計算化学(ab initio計算)に関する文献データベースを紹介しました。毎年数100件もの収集した文献を査読しタグ付けする作業が数十年行われており、それらを無料で利用できるのは非常にありがたいです。
Scifinderなどで計算化学関連の文献を検索するより、QCLDBⅡは計算化学に特化したタグ付けがされているのでどういった化合物や反応にどんな基底関数や理論で計算されているかを探すのに非常に便利です。

今後も、引き続き量子化学計算に関するデータベースの紹介を行っていきます。